イギリス留学 ワーキングホリデー体験談(アーカイブ)
ヘッジホッグ、汗と涙のワーホリ物語
「あの頃は」
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何気に左手にしている腕時計に目をやった。「まだ、8時か......。」
もうここ、サウスホールの語学学校の前で1時間近く座って待っている。相変わらず
風が身にしみる。希望的観測から9時になれば学校関係者が来てくれるだろうと思っ
て待っているが、もしこなかったら、と考えるとこの時間は一体何だろうと思えてき
た。いや、もしもの話をしても仕方がない。ただ今は、ここに誰かがやってくるのを
信じて待っているだけだ。
学校の前の歩道を金色と紺色のアースナル(ロンドンのフットボールチーム)のユニ
ホームを着たインド人が歩いている。今度は、白のターバンを頭に巻いたインド人が
上下ナイキのスポーツウェアでジョギングをしている。さらに、紫色のターバンをし
たインド人が一生懸命に自転車をこいで僕の前を通りすぎた。
(あのターバン、運動中もするんだぁ。熱逃げなさそうだから熱いんだろうなぁ。て
いうか、ちゃんと毎日洗濯してるのかなぁ。)
いろいろ人間観察をして自分なりに想像力を働かせて楽しんでみたが、いっこうに時
間がたたない。時間がたつのは遅いものだ。つくづく大学時代、講義中に思い知らさ
れたが、今また思い知らされるとは。
(あの頃は、アメリカンフットボールに夢中で勉強しに大学へ来ているというよりも
そっちがメインだったなぁ。あれから3年......あれっ?2年前の今頃は何していた
んだろう?そうそう、イギリスに行くための費用を稼ぐため寝る暇惜しんでフィット
ネスジムでインストラクターと深夜24時間営業の飲食店で早朝まで働いていたん
だった。よくやったもんだよ、今同じ事やれと言われたら絶対やらないけどなぁ。
まぁ、それがあって、昨年念願かなってイギリスに来れたんだし。去年の今頃という
と......そうだ!スコットランドに行ったんだ。あの時はケンブリッジでボランティ
アと語学研修を兼ねて滞在していて周囲の反対を押し切ってツアーじゃなく自分でチ
ケットだけ取って、宿は現地調達という形で4泊5日でいったんだったなぁ。
さすがに4日目のインバネスでの出来事は今でも鮮明に覚えている。エジンバラから
夕方、4時間かけてコーチで向かったんだが、着いたら当然夜9時でホテル探すにも
地図はないわ、ツアーインフォメーションも閉まっているし、真っ暗で野宿するには
この時期は寒すぎるし、どうしようもなく歩き回ってやっと見つけたユースホステル
も空き部屋無しという事でそれから1時間たってネス湖方面に向かう途中、大きなホ
テルを見つけさっそく空き部屋があるか確認したところ、彼女が言うには「あなたは
ラッキーだわ。本日最後の部屋よ。」と。それで連れてかれた部屋の狭いわ、テレビ
は写らないわ、シャワーは出ないわ。それでも料金£40。明くる日文句を言ったも
のの、「あらっ、ごめんなさい。」の一言。こっちも呆れて泊れたし、もういいやと
思ってしまって何も言い返さなかった。しかし、無茶をしたものだ。考えてみれば今
回も無茶してるよなぁ。成長していない証拠だな。)
そうこう考えてる内に、時間は8時半になった。すると一台の車が停まり校長のボイ
ドが僕に気付いて近づいてきた。彼に事情を説明するとアコマデーション担当のウェ
ンディーが来るまで中のソファーで待ちなさいと中に入れてくれた。そのソファーの
気持ち良いこと。ウトウトしていると寝てしまっていた。気付くとウェンディーが僕
の前に立っていた。(やったぁ、出会ったぁ!!)
喜びに打ちひしがれている僕の気持ちとは裏腹に彼女は冷静に一言。
「あんたさぁ、こんなところで寝ていると風邪ひくわよ。」
「はいっ??」
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2013年以降YMSのページをアップデートすることを断念しましたが、もちろん今でもYMSで来られたみなさんのための最初の英語研修の場所、そして、友人をつくるための場所として