イギリス留学 ワーキングホリデー体験談(アーカイブ)

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ヘッジホッグ、汗と涙のワーホリ物語
「イギリスから観たワールドカップ 予選編」
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五月雨でムシムシとした日本とは違い、ここイギリスは短い夏の訪れを今か今かと待
ちわびている時期である。そして、4年に一度のビッグなイベントも短く長い期間中
に、世界中の茶の間を賑やかにさせた。

韓国人友達が、ほぼ全員うちのアパートに集まってテレビのあるリビングを占拠して
いる。僕はそのソファーの隙間で試合よりも彼らの反応を楽しんでいた。家を共にし
ているパキスタン人らは、呆れてしまっている。
「おぉ、おぉ、おぉ、あぁぁぁぁ。」
眼鏡をかけたキョンシは、せっかくのチャンスを逃した母国のプレーを見て頭を抱え
ている。彼らは、もうイギリスにいるのを忘れているかのように韓国語で互いに応援
から雑談をしている。
「ヒロ。日本は運が良い。僕らは、アメリカもポルトガルも倒さないといけないん
だ。日本がうらやましいよ。」
みんな韓国人連中は、うなずきながらサッカー好きなキョンシの話をきいている。正
直いってあまりサッカーに熱心でない僕は、彼らの言う意味がもうひとつ理解できな
かった。

日本戦がBBC(イギリス国営放送局)で放送された日。韓国人らは、誰一人集まら
ない。このリビングにいるのは、僕にパキスタンのフィリップだけである。人気がな
いのか、これがサッカーというものだろうか、関係のないゲームには興味がないよう
である。この番組のホストを務めたのは、ゲリー リネカー。不思議な縁である。彼
は、名古屋グランパスで給料泥棒のように全く良いとこなしで帰っていった。彼は、
今、ウォーカーズというポテトチップのコマーシャルに出演している。只今、キャン
ペーン中で当たりの袋に20ポンドが入っている。そして、そのコマーシャルの内容
というのが、彼はそれを引き当てようと赤外線眼鏡をしてお店に潜入。先に店で
ウォーカーズを買おうとした小さな女の子の物に、20ポンドの影が写ったので、勝
手にとっかえてしまう、というとても大顰蹙(だいひんしゅく)を買う作品になって
いる。
(なんだ、あれだけ大金名古屋から持ち帰っておいて、まだ小さな女の子から奪うの
か)と、ネガティブに見てしまうのは、名古屋系の僕だけだろうか。

さて話を戻すと、リネカーは日本を「たった一人のスーパースターのチーム」と紹介
した。もちろん、それが誰のことかはわかったが、それ以上にあまり選手の知名度が
ないんだということがわかった。少なからずとも、ヨーロッパの様々の国でプレーし
ている日本人選手はいる。しかし、そこらの話題は全く触れず、日本とベルギーの
ゲーム前にも関わらず、イングランドの今後の対策について他3人の解説者とともに
話し合っている。よほど、人気がないようである。他、ブラジル、フランス、スペイ
ン、ポルトガル等のゲーム前とは、全く雰囲気が違う。

ゲーム開始の時間が来た。リネカーは「デハ、イッテミマショカ」と片言の日本語
で、日本のスタジアムにいるイギリス人実況と解説にバトンを渡した。彼らは、この
試合のスタメンの名前を読みあげたが、何か聞いてて窮屈そうに読んでいる。まぁ、
無理はないのだが。しかし、小野の名前は読み易かったようである。ジョン レノン
の奥さんも同じ名字なので聞きなれているのであろう。

御承知の通り、日本はこのゲームは引き分けるものの残りのゲームに勝ち続け、初の
決勝トーナメント進出を決めた。学校に行くとみんなから"Congratulations"(おめで
とう)と言われ続けた。この頃になると、メディアも日本の選手に興味を示しはじめ
た。と同時に、本命のチームが相次いで予選で消えていく様子を「小さな諸国が強大
な国々を食い尽くしている。」と評していた。その様子を中には面白味がないという
人もいれば、その番狂わせに喜んでいる人もいた。

そう、もちろん韓国人はすごい喜びだった。まさか、予選を勝ち上がるとは、と母国
の人ですら思ったぐらいである。決勝行きを決めたその日、韓国の女の子ジィヨンが
自分の体よりも大きな韓国国旗を両手で持って、ここインド街サウスホールを走り
回っているのを見かけた。インド人やスリランカ人、パキスタン人みなその光景に驚
き笑っていたが、よくそんなものを手に入れることができたなという方が僕には興味
の的が集まった。

南米、韓国、アフリカが集まった僕の学校はもちろん盛り上がったが、ここイングラ
ンドはそれ以上に街中で喜びと歓喜の声で盛り上がっていた。しかし、一部を除いて
は。
そう、ベッカム一人に敗れたアルゼンチンである。

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