イギリス留学 ワーキングホリデー体験談(アーカイブ)
ヘッジホッグ、汗と涙のワーホリ物語
「Fish & Tip(フィッシュ&チップ)」
====================================================================
ここイギリスには、いろいろな国の料理が溢れている。中国、イタリア、フランス、
グリーク、ターキー、インド、タイ等東南アジア風、南米各国の料理を食べる事がで
きる。もちろん、日本食レストランもロンドン市内の至る所に見かけるが、どちらか
というと「寿司=日本食」という図式がイギリス人の中にはあるようである。
さて、イギリス料理とは何かとなると、"イングリッシュブレークファースト(ベーク
ドビーンズ、フライドポテト、トマトの炒め物、ソーセージ、目玉焼き)"、"ジャ
ケットポテト"、"コテージパイ"、"シェパードパイ"等など、そして"フィッシュ&
チップス(鱈の揚げたものとフライドポテトにソルト(塩)&ヴィネガー(酢)をかけ
る)"となる。さらに、ブリティッシュカレーというものも存在する。カレーは、イン
ドだけではないのである。タイもあり、マレーシアもあり、スリランカも他の国にも
ある。日本もある。そしてどれもこれも味が違う。
さて、イギリス人が大好きなFish & Chip(フィッシュ&チップ)のチップはチップで
も、うちの作業員が好きなのは別のチップ(Tip)である。毎回、毎回、作業が済む
と、作業員が僕にからかいながら言ってくる。
「おい、Envelope(封筒)をもらってこい。」
初めは、その封筒の意味が分からなく、なんでそんな物が欲しいんだろう、と思って
いた。ワーキングシートのことを言ってるのかなと思いつつも、それならそんな遠ま
わしの表現はしないだろうし、まさか郵送したいから郵便封筒を取って来いなんて言
うわけないし、いったい全体何が言いたいのだろうかサッパリ分からなかった。
その帰り、一緒に仕事をしたレップの方とお話をしていると、
「Envelope、Envelopeって作業員連中が言って、うるさいんだよね。」
とぼやいてみえた。僕は、その意味を知る機会だと思い尋ねた。
「チップのことだよ。お金を封筒に入れて渡すから、みんな作業員達はEnvelopeって
言ってるんだよ。」
なるほど。僕は思わず納得してしまった。確かに、この国ではレストランに入れば食
べた額の1割分のチップを渡すし、散髪でさえチップを渡す。これは、この国の習慣
である。だから、それを考えれば、彼らが力仕事をしてチップを貰えないというのは
少々気の毒な気がした。
同じポーター業でも、お客がイギリス人相手になるとコロッと応対が変わってくる。
まず、仕事をはじめて1時間たらずで英人の奥さんに
「お茶、コーヒー?ブラック、ホワイト(ホワイトはミルクの入れたもの)?」
と尋ねられる。こういうお客さんになると、彼らが「Envelope」と言わずとも、帰る
ころには「Thank you very much」のお礼と共にお札が手渡さられる。
これが日本のお客さんになると、残念ながらチップはおろか、お茶すら出してもらえ
ないことが多い。中には
「お昼行って来ますんで、1時間ほどで戻ってきます。」
と出かけてしまう方すらいるのである。正直なところ、日本人は"おもてなし"を信条
としている人種なのに、これはおかしいんじゃないだろうか?と思ってしまう。もち
ろん、お客さんの立場からすればお金を払っているから当然の仕事だと思っているか
もしれないが、それではあまりにも世知辛い世の中ではなかろうか。
幼い頃、家の修復にみえた大工さんにお茶やお昼をもてなしていた親の姿が目に浮か
んだ。"日本人らしさ"は、どこに行ってしまったのであろうか?そういうお客さんに
出会った日は、いつもトラックの中で作業員連中の愚痴を言い合ってるのを横目に考
えてしまう。でも、自分は決してそうなってはいけないと心に誓うのであった。
■ Twin Towers English College
53-55Ballards Lane, Finchley, London N3 1XP
Tel 020-8343-3567 メール問合せフォーム
英語版のWEBSITE
2013年以降YMSのページをアップデートすることを断念しましたが、もちろん今でもYMSで来られたみなさんのための最初の英語研修の場所、そして、友人をつくるための場所として