イギリス留学 ワーキングホリデー体験談(アーカイブ)
ヘッジホッグ、汗と涙のワーホリ物語
「ホントのホントはウソのウソ」
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「ヒロくんと丁度一緒にいるので、連れてそちらへ向かいます。」
この日、日本から研修でみえたN社の社員さんとロンドンから西部にある"Slough
(スラウ)"で日本から来た荷物のデリバリーに行っていたのだが、仕事が運良く
午前中で終わり帰りかけていた時に、事務所から「違うチームがてこずっている
のでヘルプに行けないか」という連絡があったのであった。
社員さんと僕は、現場へ急行した、その車中で。「ヒロくん、外仕事ばかりで大変
だよね。たまには、中の仕事をしてみたいと思わない?」
と、尋ねられた。オフィスの仕事は畢生一度も経験した事のない職種であった。
確かに興味はあるものの、日本語でもまともに電話で応対できないのに、英語での
応対となるとさらに難しくなってくる。聞き取れないからで片付くような問題では
ないし、何よりも責任というものが自分に圧し掛かってくる。それでも、心のわず
かの部分に"やってみたい"という好奇心が沸いてきている。頭でぐるぐると両極端
なアイデアが浮かび、やめておけという引込み思案と、やってしまえという物好き
な面が互いに交差しあう。それでも、最終的には困ってから考えようという"Optimism
(楽観思考)"が、この心の嘉藤をジャッジしてくれた。「できたら、やってみたい
ですね。」
ヘルプの場所に着いた頃には、こちらも運良くすでに仕事が片付いていた。この仕事
を担当してみえた日本人レップ(お客さんと作業員の間に入る人)が課長さんであった。
「おぉ、ヒロくん。久しぶり。元気でやってるか?」外仕事をしていると、なかなか
同じく外で出ている人達に会う事はないに等しく、こうして遭うこと自体、珍しい事
なのである。
「丁度いいところであった。あのさぁ、...。」
課長が、続け様に尋ねてみえた。
「今、週5日で外仕事してもらっているけど、今後、週2でオフィスにも入っても
らえるかな?」
その言葉に、一瞬、動きを止めてしまった。なんなんだろう。この偶然さは。まるで、
僕と研修員の方との会話が課長に筒抜けだったかのような流れではないか。もしかし
たら、この社員さんと課長さんと、もうすでにこのストーリーを描いていたのだろう
か?その演出にまんまと、お腹を空かしたお魚の如く、僕は引っかかってしまったの
だろうか?もし、そうだとしたら、この研修員の方は、かなりの演技派男優になれる
だろう。再び、僕の頭の中のコンピュータが激しく動き出す。数秒間に何回も、様々
なアイデアが閃いては消え、消えては蘇りしている。次々と浮かぶ、アイデアに結論
をつけられないでいる。
「実は、さっきまでヒロくんとオフィスワークをやってみたいという話をしていたん
ですよ。」
ここで、研修員の方からのコメントが入り、物事がまた違った方向に進展する。ひょっ
としたら、真実は両者とも偶然だったかもしれない、と感じ始めた。
「おぉ、そうだったのか。そいつは、奇遇だったね。」
課長さんから、その言葉が漏れる。僕が、ただ深く物事を読み過ぎていただけなのだ
ろうか、それとも?やはり、この息の合った会話のキャッチボールを聞くと、どうも
怪しい。
「よかったね。ヒロくん、やりたかったオフィスの仕事ができるんだから。」
研修員の方から、ポンッと肩をたたかれ、課長さんからは、来週から「そういう形で
いこう。」とだけ伝えられ、僕のオフィスワークが物の五分で決まってしまった。
"できるできない"など、全く今回の話には出てこなかった。ただ、どんどん与えられ
るので、それをこなしていくのみで泣き味噌にはなれない。それにしても、今回の事件
の真相はいかに??
イギリス留学 ロンドン語学学校
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