イギリス留学 ワーキングホリデー体験談(アーカイブ)
汗と涙のワーホリ物語
「嬉し恥ずかしオフィスワーク」
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オフィスワークが決まった日、家に戻って大家さんに話をした。
「あらっ、昇進したじゃないの。よかったわね。」
旦那さんも奥さんも一緒に喜んでくれたが、自分ではそれほど大した事とは思
わず、とりあえず相づちを打つだけをしておいた。
さて、オフィス初日。オフィスに入ると、あまりの女性の多さに驚いてしまっ
た。僕を除けば、たった一人の英人マネージャー。時々、他の部署も担当して
いる彼が、そこから離れてしまう。すると、このオフィスで唯一の男性になっ
てしまう。それこそ、昔、土曜日オンエアされていた某クイズ番組「巨Oのク
イズダOビー」の司会者の名文句の如く、「一人を除いてみんな同じ」状態に
なってしまう。
仕事中、お姉さま方たちの井戸端会議のような雑談が、耳に入ってくる。どう
やら、下着の話のようだ。「そのヒラヒラがね......。」話に、とても
付いていけない。どうしよぉ...。いいや、黙々と仕事している振りでもし
ておこう。お話が、段々エスカレートしていく。いやぁ、昼間っから...。
こちらが、恥ずかしくなってきた。そこへきて、
「あらっ?ヒロクン、いたのね。大人しいから、いないかと思っちゃった。」
と、加わりたくないこちらに話を振ってくる。よく言うよ!って感じだが、顔
は笑顔でお愛想良く対応しておく。すると、別のお姉さまから、
「ごめんね、ヒロクン。逆セクハラよねぇ、私たち、アハハハ。」
と、さらに突っ込まれる。「いえいえ、そんなそんな。」と、誤魔化しながら、
この空気に溶け込もうと努めるのである。"良く言えばハーレム、悪く言えば大
奥。" まさに、それがこのオフィスの現状である。
まぁ、この程度なら全然気にならないのだが、仕事に関することとなると話は
別である。お客様からの電話を受けて、「00さん、お願いします。」と言わ
れる。「はい、少々、お待ち頂けますか。」と、電話を社内の00さんに繋ぐ
と、00さんは、「それって、どこの会社の人?」と、逆に問い掛けられる。
以前、聞き忘れてこの手の失敗を経験していた僕は、今回は間違えまいとメモ
っていたお会社名を00さんに
伝えると、00さん、「下の名前ってわかる?」と、さらに問い詰める。「す
みません。聞き忘れました。」なんて言ってしまうと、「困るのよぉ、同じ苗字
の人なんてたくさんいるんだから。」と、ややヒステリック気味で言われてしま
うから、眠れる獅子を目覚まさないように、「お客様から、00さんが良くご存
知だと言われまして、下の名前は名乗ってもらえなかったもので。」と、柔らか
く返答をする。「あらっ、そう。」などと、00さんは、やっとの事でその電話
そ繋いでもらえるか、と思いきや、「それって、ホントに私宛?」と、この期に
及んで突っ込んでくる。全くもって、やれやれのオフィスワークである。
夕方頃になると、外仕事から男性社員がオフィスに戻ってくる。「ヒロくんも大
変だね。」などと、みなさんから激励?の一言をもらうのもここでの日課のひと
つにになった。
数日後、分かった事なのだが、肉体労働はこの国では労働者階級であり、事務所
務めは中級者層の人達の仕事であるときちんと分かれているのだという。これで
、大家さんらが喜んだのも分からなくはなかったが、あの女御殿でサバイブする
のを考えたら、そんな階級など僕にとってどうでもいいことであった。息のつま
る環境を、どう自分なりに雰囲気がよくなるように変えていくか、これが今後の
課題へとなるのであった。
イギリス留学 ロンドン語学学校
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