イギリス留学 ワーキングホリデー体験談(アーカイブ)

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汗と涙のワーホリ物語
「ワタシをニホンへ連れてって!」
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お引越し。
それは、経験された方なら分かると思うが、いろいろな嘉藤が伴う作業である。これ
は捨てようか、いや、持っていこうか。気が付けば、全く整理のできないまま時間が
過ぎてしまっている。時々、懐かしい本や、自分の足跡などに関係する書物と遺品を
見つけてしまい、読み返してしまって作業どころでは無くなってしまう経験をした事
がある人もいると思う。また、家具ともなると、引越し業社にお願いしないことに
は、大変なことになるであろう。どれもこれも、自分と共に生活してきた一部だから
手放すのを躊躇する。そう、情が湧くのである。命のない物ですらこの調子なので、
命のある物となると大変なことである。

「この子ね、南アフリカから来たんですよ。」
大きな真っ黒な犬が、お利口にもキッチンのところでお座りをしている。一言も吠え
ることはない。ただ、ハァーハァーと犬特有の息使いで長く薄い赤い舌をだして、
こっちを見ている。飼い主である引越しを頼まれたお客さんは、旦那さんの仕事の関
係で南アフリカに赴任して、今回ロンドンでの転勤が決まったので、周りの家具類同
様に南アフリカで飼っていたこの犬も連れて来たのだという。情が湧いたケースであ
る。
「この子を連れてくるのって、結構、お金かかるんですよ。」
奥さんは、この大きな犬の頭をなでるように話をしだした。
「犬が病気を持っていないかどうかの検査費に、犬のための飛行機運賃もかかるんで
すよ。」
「犬の飛行機運賃?」
僕は、その聞き慣れない響きに耳を疑ってしまった。

犬であろうと兎であろうと小さなハムスターにせよ、人間のように飛行機運賃を払わ
ないといけないのである。しかも、なんと人間様と違い格安チケットが無いので、正
規の料金を払わないといけない。たとえば、ロンドン―日本間往復チケットで、だい
たい安いものは400ポンド弱(¥約8万)であろうか。正規な値段となると、約1
000ポンド(¥20万)は、くだらないのではなかろうか。さらに、動物の検査費
で¥数万かかるといわれているので、下手をしたら自分たち夫婦+子ども一人分の航
空チケットが手に入ってしまうことになるだろう。

いくら「家族の一員なの!」と言い張ったとしても、動物に3人分くらいの航空運賃
を払うのは考え物である。猫や犬はまだしも、ハムスターといった小動物となると彼
らの寿命を考えると割に合わない気がする。もちろん、情というものは、お金では買
えない物であるから仕方がないのであるが。

しかし、ペットたちを必ず日本に持ちかえられるとは限らない。日本に連れて行けら
れなかったケースとして、病気持ち、条約に引っかかるなどあるが、ある一匹のオウ
ムが何らかの理由で持ちかえられなかった。そのオウムの奥さんは、初めは愛着がこ
れっぽっちともなかったのであった。だが、旦那さんが仕事で家をあけていたため、
その暇な時間をこのオウムと遊ぶようになって情が湧いたのだという。
「この子(オウム)、今ではね、沢山の私のセリフ覚えているの。」
と、言い張る奥さんであったが、泣いて連れて帰れるようにお願いをしたのものの、
結局、許可が降りず、あるペットショップに飼ってもらうようにお願いをしに行った
のであった。ところが、その店の亭主は、「冗談じゃない。」と、最初は断りつづけ
た。
「そんな、言葉を覚えたオウムはいらないよ。」
しかしながら、あまりの奥さんのお願い攻撃に最終的にこの亭主にも情が湧いたのか
降参してしまったのであった。
これで、一件落着。と、思えたのだが、その奥さん、
「すみませんが、うちのe−mailアドレス差し上げますんで、うちのオウムちゃん
の成長ぶりをデジカメに撮って毎月、いえいえ、3ヶ月に一度でいいので送ってくれ
ませんか?」
と、ずうずうしくもお願いしたのだという。

このストーリーのエンディングは、どうなったか僕も定かではないが、とにかく、動
物を海外で飼うといのも大変なものである。動物にとっては、飼い主と一緒に日本へ
戻るのは幸せなのだろうか?犬語がわかるというバウリンガルで、聞いてみる必要が
あるのかもしれない。

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