イギリス留学 ワーキングホリデー体験談(アーカイブ)

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汗と涙のワーホリ物語
「人体エキシビジョン」
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日はいつまでも長いわけにはいかない。ここイギリスの日照時間は徐々にだが短く
なってきている。もうすぐそこまで、寒く長い夜の冬が近づいて来ているのである。
そんな10月の上旬である。

「ヒロ。今度の休みにでもこれに行ってみるといいよ。」
夕方近く、学校を済ませてUK−Jのオフィスに寄って帰宅した僕に、大家さんがある
ブローシャー(パンフレット)を持って話してきた。そのブローシャーを受け取った
僕は、まず目の前に驚くべき人の光景を目にするのであった。それには、男性が歩く
ポーズで掲載されているのであるが、なんと服を着ずに裸、かつ人の皮膚ですらはが
されてむき出し状態である。人体の肉の筋がくっきりと表現されていて、目でさえ眼
球がはっきりと確認できるほど精巧に表されていた。

正直、グロテスクな写真であったが、大家さんはニコニコと嬉しそうで、この話題を
とてもしたそうな雰囲気が読み取れるのであった。

「これは何なの?」
すごくストレートな質問だが、僕は本当にこのブローチャーがいったい何なのかわか
らなかった。すると大家さんは、
「これはね、人体エキシビジョン(博覧会)なんだよ。」
と答えてくれた。
「人体エキシビジョン?」
僕は驚きながら大家さんの話に耳を傾けた。
「ここに飾られてある人体模型は全て本物の人なんだ。みんな事故なり、病気などで
亡くなった人の肉から骨、内臓、脳、神経ですらプラスチック状に周りを固めて保管
してあるものなんだよ。だから、人の体がどうなっているか知りたい人はとても良い
勉強になるだろうね。現に私も、課題の参考になると思って先週の終末にかみさんと
観に行ってきたんだよ。やぁ、とても素晴らしい体験をしたよ。ヒロも以前、フィッ
トネスインストラクターだったから興味があると思って話してみようと思ったん
だ。」

「私は、好きじゃないわ、ああいうの。あなただけよ、関心持ったの。」
とても熱心に話をしている大家さんのところへ、奥さんが入ってきた。
「実はね、彼女は、あまり興味がなかったんだ。」
大家さんは笑いながら、リビングに置かれた大好きなブランデーを手にとり、
「どうだい、一杯やりながら、場所とか詳しく説明しよう。」
と、いつもながらのお酒の時間が始まるのであった。

次の週末。早速、そこへ足を運ぶことにした。大家さんの話では、相当の行列ができ
ていたとのことなので、早い時間に行くべきだと忠告されていた。だから、ご忠告通
り早朝に家を出ることにした。

場所は住んでいるところとは正反対の東側。通常、ロンドン内のミュージアム(博物
館)は無料で入場できるのだが、ここに限っては多少、入場料がかかった。入ってみ
ると、まずはこのこのエキシビジョンの意味合いと、どういう人たちの人体を拝借し
たのとかが刻々と書かれていた。どうやら生前、使ってくださいというサインをした
人たちのものであるようである。そこのコーナーを抜けると、早速、手や足の模型が
置かれているのであった。そして、次に登場したのが人の顔のそれぞれのパーツから
脳、さらに2階に上がっていくとそこには、内臓たちがたくさん展示してあった。も
ちろん、神経から動脈、静脈を含めた血の流れも明確にわかりやすく置かれてあっ
た。

一番印象深かったのは、肺のコーナーであった。そこには、2つの肺が比較するため
にショウケースに納められているのであるが、片方は正常なもの、もう片方は喫煙者
(特にヘビースモーカー)のものであった。とにかく、喫煙者の肺の真っ黒で汚いこ
と!これを喫煙者が見たら、どう印象受けるのであろうと考えてしまった。ひょっと
したら、煙草のコマーシャルが禁止されているこの国からして、これも何らかの喫煙
者へのメッセージだったのかもしれない。

それにしても、グロいという言葉は拭い去れないのがこのエキシビジョンの現実であ
る。結局のところ、このエキシビジョンは好評?につき従来の展示期間よりも延長し
て年内いっぱい展示することになったという。ある意味興味深く、ある意味もう一度
でいいというのが僕の評価であった。人体エキシビジョン。今度は、人体に限らず、
たくさんの動物、昆虫編があるのかもしれない。でも、誰が観にいくのであろう?

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