イギリス留学 ワーキングホリデー体験談(アーカイブ)
汗と涙のワーホリ物語
「偶然の再会」
=================================================================
イギリスでの生活の中で、日本人の人達との出逢いというのも面白い点のひとつであ
ろう。通常、日本で生活していたら、(地元を離れるのは別として)地元の大学に
行ったり、地元の会社に務めたりしたならば、遠方から来てみえる方にお会いするの
は難しいのかもしれない。しかし、ここイギリスならばいろいろな出身の人達にお会
いすることができる。例えば、北は北海道、南は九州鹿児島、沖縄までいろいろな出
逢いがある。
僕は、時々考える事がある。思えば、あの東京のワーキングホリデーの面接会場で一
緒に面接を受けた女の子達は、イギリスのどこにいるのであろう?いつ頃発ったのだ
ろうか?実は同じロンドンで生活しているのかも?一人を除いて全く他のみんなと連
絡をとってなかった僕は、もう出遭うことはないのかもしれないと思っていた。
ところが...。
ある週末、僕は久しぶりにロンドンの街中に足を運んだ。そして、ついでに日本食を
買おうと思っていた。ここセントラルロンドン(ロンドンの中心街をさす、主にオク
スフォードストリート、ピカデリーサーカスで有名)には、数点の日本食専門店があ
る。そして日本の雑誌も購入することができる。こちらの生活のなかで、日本語の活
字に出会えることのうれしいことといったら、はっきりいって表現の使用がない。常
にアルファベットに接する毎日を過ごしていると(もちろん、英語を学びに来ている
のだが)たまには日本語に触れてみたい時間があるものである。そう、活字は僕に
とってのオアシス的存在なのである。
たいてい、本はロンドン三越の地下一階に行っている。別に深い理由などはない。た
だ、立ち読みをするのにスペースが広く、近くのジャパンセンターの雑誌コーナーよ
りも探しやすいのが利点だけである。何気に、雑誌に目をやる。週刊誌のゴシップ記
事から、今の日本が見えてくる。相変わらずの日本がそこにはいる。何も変ってない
んだな。僕は、安堵のため息とまではいかないが、一人「浦島太郎」状態になってい
ない自分にホッとすることができる。
そしてこの日の午後もいつものように、その本屋で雑誌をみていた。まわりはもちろ
ん日本人だらけである。耳から、いろいろな日本語が自動的に入ってくる。まるで、
日本に居るみたいだ。「いらっしゃいませ。」お店の人の声だ。これも日本ならでは
だ。さらに、お店の人の接客の声が続く。「ありがとうございます。お代金
は...。お袋にお入れいたしましょうか。」この国の人間にはないこの心使いも日
本人ならではである。そんな心地良い雑音に耳を傾けていた、その時だ。僕の顔を覗
くように一人の女の子が声をかけてきた。
「あのー...。」
その声に反射的に僕はその子の方に目をやった。次の瞬間、お互い大きく口を開けて
叫びあった。
「あぁーーー!!」
そう、その子は面接で一緒に受けた埼玉からきた”チカちゃん”であった。
「やっぱり。通り過ぎる時、そうじゃないかなぁってさっきからウロウロしてたんで
すよ。もしかしたら別人だったらどうしようと思って。」
チカちゃんは、この偶然の再会を驚き気味に話していた。もちろん、僕も相当の驚喜
で言葉が何もでなかった。
かれこれ、6ヶ月は過ぎていたであろう。もちろん、時間的ものさしで計ったら、そ
の期間は短いかもしれない。ただ、異国のロンドンでこうして再びお互い元気な姿が
みえるといことは、とても人間業とは思えない。かといって、神業と言いのけたなら
ば大げさすぎるのかもしれない。しかし、こうした”出遭い”というものは、とても
うれしさとともに信じられない神様のいたずらじみた感じにさえ思えるのである。
それから数週間経ったある日。チカちゃんから一本の連絡をもらった。もちろん、そ
の前にメールをもらっていたのだが、その時点でただならぬ予感はしていた。ただ、
一体何があったのかは予想が全く出来なかった。そして、その電話の向こうからは、
辛そうな声が漏れていた。
「あの...相談に...のってもらえませんか?」
その一通から、ロンドンの裏の顔を知るきっかけになるのであった。
イギリス留学 ロンドン語学学校
■ Twin Towers English College
53-55Ballards Lane, Finchley, London N3 1XP
Tel 020-8343-3567 メール問合せフォーム
英語版のWEBSITE
2013年以降YMSのページをアップデートすることを断念しましたが、もちろん今でもYMSで来られたみなさんのための最初の英語研修の場所、そして、友人をつくるための場所として